イタリアのナチュラルワイン生産者
Arianna Occhipinti
アリアンナ・オッキピッティ

イタリア<シチリア島
オッキピッティはシチリア島の南西部のヴィットーリアに位置し、その評判は年を経るごとに高まっています。
彼女の最初のヴィンテージは2004年でしたが、そのワインが国際的に流通するようになったのは2005年になってからでした。
彼女は、2009年4月以来、生物多様性を大切にして育てたブドウ品種、Nelo d’AvolaとIl Frappatoの10ヘクタール畑を持っています。
主にチョーク状の土壌に植えられたブドウは、アルバレッロやグヨットを使って訓練され、鮮度を保つために葉っぱを精力的に育てています。
Il Frappatoの発酵はステンレス鋼で行われ、ネロ・ダヴォラは大きなプラスチック製の浴槽で発酵しますが、最終的にはセメントのすべてを発酵させることです。
Nelo d’Avolaのマセレーションは30-40日で、フラッパトにとっては長いといわれます。
モノバラエティワインに加えて、アリアンナはSP68と呼ばれるネロとフラッパトのブレンドを作ります。
彼女の家を通り過ぎる道路にちなんで名付けられたワインは、セラスオーロのように作られていますが、アリアンナは常に当局が必要とするバレルで最低18ヶ月間ワインを加温したいとは限らないとしてIGTシチリアとしてラベル付けされています。
Barbacarlo
バルバカルロ

イタリア>ロンバルディア州
ロンバルディーア州パヴィアの南にあるブローニという町の、古い家系であるマーガ家によって営まれるワイナリーです。
イタリアワイン法、格付けの理不尽な理論に真向戦ってきた現当主リーノ、御年85歳。イタリアワインを育てた「イタリアワインの父10人」に選出された、偉大な生産者です。
現在はバルバカルロとモンテブォーノという畑から約20000本のワインを生産しています。
畑はブローニの町の背後にある“マーガ谷”と呼ばれる丘陵地帯にあり(以前はこの谷一帯がマーガ家の所有だった)、周囲を緑に囲まれ外界と隔絶されており、彼らの行なうような“自然農法”を行なう上では理想的な環境となっています。
無施肥による栽培、雑草も年3回刈るだけで畑には一切鋤き込まず時間をかけ自然に堆肥化させ、農薬もボルドー液のみを使用し、散布も従来の3分の1以下の回数しか行いません。畑が急な傾斜にあるため、ボルドー液散布に特殊なトラクターを用いるだけで、除草・収穫など他の作業は全て手で行なっています。
温度管理を行なわずに醗酵させたワインを大樽で熟成します。樽の移しかえを何回も行うことで澱を取り除き、収穫翌年の春にボトリングを行い、瓶を横にした状態で2ヶ月ほど熟成させた後、瓶は立てられリリースを待ちます。二酸化硫黄の使用は樽を洗浄するときのみで、醸造・ボトリング時には一切使用されていません。
Bressan
ブレッサン

イタリア>フリウリ>ヴェネツィア>ジューリア州
ブレッサン、それは土地、ブドウ畑、ワインについて語るとき頻繁に登場する名前です。それはこの地の歴史そのものを現す名前といえます。
ファラ・ディソンゾのブドウ栽培地域の古くからの呼び名ですが、何よりも、厳しい労働とこだわりと頑固さを持って幾世紀にもわたる伝統を築き上げた一族、ブレッサン・ファミリーを指す名前なのです。
その創始者となったその歴史的な農夫の名前はジャコモ・ブレッサン(1726 年生まれ)で、高級ワインの生産を始めた人物です。
ブレッサン・ファミリーの家訓は、「精神力」「強い希望と意志」そして「何事もいいかげんに済まさない」という一族の伝統に対する敬意を込めて作成されました。
ブレッサンの名を世界中に知らしめたのは、ワイン造りに打ち込み守り続けてきた9 世代総てのマエストロたちの功績です。
伝統を愛し一家の伝統に多大なる誇りも感じている現当主フルヴィオ・ブレッサン。
見た目も厳つく、発言もストレートなフルヴィオはジャイアンみたいでよく誤解されますが(笑)、家業を継ぐ前はセラピストとして子供たちの心のケアをしていた、心優しいメンタリティの持ち主!
Brezza
ブレッツァ

ブドウ畑10ヘクタールを含む40ヘクタールの所有地を使って肉牛を飼い、与える餌もすべて自家生産したものを使用、ワラと牛糞を使って堆肥を作りそれを畑に返すという完全循環型のバイオダイナミックス農法を30年以上実践しています。
ワイナリーでもごく少量の二酸化硫黄以外の薬剤は一切使用していません。
イタリア>ピエモンテ州
Camillo Donati
カミッロ ドナーティ

イタリア>エミリア>ロマーニャ州
カミッロの祖父であるオルランドが1930年に自家消費用としてアローラの小さな畑に植樹したのが始まりです。この土地は急な斜面地であることを意味する「グロッポーネ」と呼ばれていました。祖父オルランドは、彼の義父オレステ カヴァッリから様々な種類のブドウを接ぎ木します。それが、バルベーラ、ボナルダ、サンジョヴェーゼ、ランブルスコ マエストリ、ランブルスコ グラスパロッサ、マルヴァジア アロマティカ ディ カンディア、ソーヴィニョン、モスカート ジャッロでした。
オルランドはこれらのブドウを黒ブドウと白ブドウに分けるだけで、それぞれは全て混醸してワインにし、家族で消費していました。
カミッロの父アントニオは銀行に勤めていましたが、常にオルランドと一緒に畑仕事を続け、彼が1964年に亡くなるとオルランドの仕事を引き継ぎました。カミッロは、父からブドウとブドウ畑に向き合う姿勢を学び、一方、父の友人のオヴィディオ氏から、醸造の心得を学びました。
カミッロ ドナーティの畑はパルマの南約20kmの標高約250mの東向き斜面に広がる場所にあります。その10haの畑に1haあたり約3500本のブドウ樹を植えています。
祖父オルランドが植樹したブドウ樹が中心ですが、トレッビアーノとマルヴァジローザも植樹しています。それぞれの品種は基本的には単一品種で醸造し、ワインにしています。
すべて有機農法で、機械的なものは一切用いず、すべて手作業です。
醸造においても伝統的な手法にこだわり、全てのブドウに対してマセレーションを行い、一切の温度管理を行わず、フィルタリングも木綿の袋を使い重力以外の圧力をかけずに行います。ランブルスコを始めとする微発泡ワインは、かつてこの地方で行われていた、ワイン内のわずかな残糖分とブドウに付いていた野生酵母を利用して瓶内2次醗酵を行わせることで造っています。
※マセレーションとは
発酵してもすぐに絞らず、果皮や種をワインにつけたまま果汁と接触させておくことをマセレーションと言います。これによってタンニンなどブドウのうまみ&ワインの成分が果皮から果汁に移り、濃い色合いのしっかりしたワインができます。マセレーションの期間は各醸造家の判断ですが、その長短がワインの個性を決めるのでとても重要な工程になります。
Cantina Giardino
カンティーナ・ジャルディーノ

イタリア>カンパーニア州
なんとブドウ畑を全く持たずに、借りもせずに買いブドウだけでワイナリーをスタートさせてしまった彼ら。
「生きる文化遺産とも言える高樹齢ブドウ樹を、その重要性に気付いている俺たちが守らないでどうする!」「守るためにはどうすることができるか?」
それは農家から、高樹齢の樹から獲れるブドウを付加価値(重量でなく、品質にお金を払う)をつけて買い、商品として醸し、売り、ワインの品質(=ブドウの品質)を消費者に評価してもらい、農家を勇気づけ、彼らのモティベーションとなり、噂が伝播し、結果、より多くの農家を巻き込んでいかなければならない。。。。というわけで、アントニオと5人の仲間が集まり各々が投資しワイナリーを始めました。
信頼の置けるブドウ栽培農家から購入したブドウだけでワインを生産することになったんです。
もちろん、取引する農家はもともと自然環境にリスペクトを払った農家ばかりなのですが、さらに草生栽培や無肥料での栽培など、さらに踏み込んだ農法を依頼し、より高品質のブドウを生産してもらっています。
そんな気高き彼らが、ついに5ヘクタールの畑を買い、その中にはなんと樹齢100年の樹の植わっている区画もあるとのこと!応援せずにはいられません~!
Daniele Portinari
ダニエーレ・ポルティナーリ

イタリア>ヴェネト州
造り手のダニエーレ・ポルティナーリは、農薬も使わない、ちゃんとしたブドウを栽培して、他のワイナリーに売却して生計を立てていました。
どんなに手の込んだブドウでも売ると二束三文。結局、他の人のブドウと混ぜられ、彼の痕跡はほとんどなくなってしまいます。
しかし、ナチュラルワインの大家であるラ・ビアンカーラのアンジョリーノと知り合い、彼に触発されて2007年から一部のブドウを使い、自らワインを醸造し始めました。
畑ではボルドー液のみを使用し、セラーでも酵母添加も温度管理も行わず醸造しています。
近くに住んでいて昔から仲の良かったラ・ビアンカーラの後押しもあって一念発起!
彼の父親の畑+2007年に自分で植えた畑(タイロッソ)でブドウを栽培、自分でワインを造り、自分で瓶詰めするようになりました。
Ezio Cerruti
エツィオ・チェッルーティ

イタリア>ピエモンテ州
伝統的に高品質のモスカートを産する土地として有名だった、カスティリオーネ ティネッラにあるエツィオ チェッルーティの始めたワイナリー。
エツィオは、2001年からワイン生産を開始しました。それまでは町にある協同組合ワイナリーで働く一方で、生産したブドウもそのワイナリーに売っていました。
今は、6ヘクタールの畑を1人で耕作し、モスカートのみを栽培しています。
ボルドー液以外の農薬は一切用いない有機農業を実践しています。
8月の下旬から9月の上旬、モスカートが完熟する頃、ブドウのついた枝をブドウ樹から切り離すための剪定を行い、そのまま畑の中で雨風にさらされる状態でブドウを乾燥させ、約2ヵ月後に収穫を行うのです。
除梗し、圧搾して出たモストは樽へと直接入れられ、培養酵母、二酸化硫黄ともに全く添加しない状態で2年の歳月をかけゆっくりと醗酵させます。
二酸化硫黄はボトリング前にごくわずかを添加するのみで、無濾過でボトリングします。
Folicello
フォリチェッロ

イタリア>エミリア>ロマーニャ州
エミリア・ロマーニャ州のモデナの近くマンツォリーノにあるワイナリー。
アントネッラとマルコの夫妻が、1980年に、家族と友人のために少量のワインを作り始めたのが始まりです。現在でも家族を中心に少人数で経営し、『シンプルに』がワイン造りのモットー。
10haのぶどう畑はビオディナミ農法で、Demeter認証を取得。
ぶどうはすべて手摘みで収穫します。同じぶどうで、ぶどうジュースやジャムも造っています。
一般の人を対象にしたオーガニックワインの教室や、近所の子供たちと楽しむ収穫祭を催したり、オーガニックワインの健全性を広める活動を自らも楽しんでいます。
Giovanni Canonica
ジョバンニ・カノーニカ

イタリア>ピエモンテ州
イタリアの長期熟成ワイン、ワインの王様、色々な形でモテはやされる北イタリア ピエモンテ州の伝統的赤ワイン「バローロ」という、商業的に成功を収めた土地ならではの問題を抱えながらも、他の造り手と比較にならないレベルの親しみやすいワインを造るジョヴァンニ。
1983年から自身で始めたワイナリーで、以前はパイアガッロという畑のみでしたが、2013年からジャンニの奥さんの家族が所有するグリンツァーネ カヴールにある畑の一部を借りれることになり、ランゲ ネッビオーロともう一つのバローロを生産しています。
2002年ヴィンテージ以降は全てを自家ボトリング。
醗酵はグラスファイバー製の醗酵槽で野生酵母のみで(SO2添加はなしで)温度管理をせずに行い、マセレーションの期間は1ヶ月に及ぶことも。
圧搾後、乳酸醗酵が終了するまでセメントのタンクで保存、その後、大樽へと移され、2-3年の熟成の後、若干量の酸化防止剤を添加して、ノンフィルターでボトリング。
いつも笑顔を絶やさず、信頼のおける仕事振り、まさに上司にしたい造り手です(笑)!!
Il Cavallino
イル・カヴァッリーノ

イタリア>ヴェネト州
造り手のサウロは1985年生まれの34歳!(2019年)
畑ではブドウに出来るだけストレスがないよう、自然な環境となるよう目指し、ワイナリーでも酸化防止剤を極限まで減らす、もしくは無添加と結構攻めた造りをしています!
ラ ビアンカーラのアンジョリーノが世に送り出した新たなお弟子さんです。
畑&セラーでの仕事は師匠同様に、ボルドー液以外の一切の薬剤を使用せず、添加する酸化防止剤の量も極限まで少なくするか完全無添加でボトリングを行っています。
ワイナリー名のカヴァッリーノはイタリア語で「仔馬」。若きやんちゃな仔馬ちゃん!!
Il Cancelliere
イル・カンチェッリエレ

イタリア>カンパーニア州
2005年から自家ビン詰めを開始したカンチェッリエレ。
ソッコルソ爺さんが今も現役で畑仕事を引っ張っています。爺ちゃん元気すぎ~(笑)。
爺さんの娘リータの旦那さんであるクラウディオは昔から大の日本のマンガ&アニメファン!宮崎駿さんの作品も一通り見た上で、好きなアニメは「未来少年コナン」というから、かなり本気な感じです(笑)。
Il Vei
イル・ヴェイ

イタリア>トスカーナ>エミリア>ロマーナ州
ピアチェンツァ郊外、ルレッタ渓谷にあるピオッツァーノという小さな村にある、ブラギエリ夫妻によって営まれるワイナリーです。
畑ではボルドー液以外は使用しないという有機栽培をおこない、醸造に関しても、ブドウの圧搾時にごく少量の二酸化硫黄を添加するのみで瓶詰め時にも酸化防止剤を添加しておりません。
この地域で生産されるワインも伝統的には、オルトレポーやコッリ ディ パルマ同様に微発泡で、糖分も酵母も一切添加せずに微細な瓶内二次醗酵を行わせるために、ボトリング時には二酸化硫黄を一切添加しません。
生産量の大半をワイナリーで量り売りし、リクエストのあった分だけをボトルに入れて販売しています。
そんな素晴らしい環境で、惜しみない手間をかけて作られるイル・ヴェイのワイン。
生産量は少ないため、今回もご用意できる数は少ないので是非お早めにどうぞ~。
La Biancara
ラ・ビアンカーラ

イタリア>ヴェネト州
ソアーヴェの隣のDOC地区である、ガンベッラーラでアンジョリーノ・マウレが1988年より、7ヘクタールの畑とともに始めたワイナリーです。ナチュラルなワインの世界で知らない人はいないアンジョリーノですが、彼はワイン生産の盛んな、ヴェネト州のガンベッラーラで生まれ育ちました。
マウレ家は、ガンベッラーラという土地にありながら、ブドウ&ワイン生産に携わらない家庭だったのですがアンジョリーノは若い頃から自らワインを造るということに憧れを抱いていました。そして若い頃働いていた工場で、奥さんのローザマリーアと知り合い、結婚しワイナリー創設の夢を果たすべく、2人でピッツェリアを始めます。お店は大繁盛、80年代前半から畑を買い家を建て始め、1988年、ラ ビアンカーラとして初めてボトリングしました。
栽培方法は、完全無施肥から、ビオディナミに切り替え、EM菌も試し、ブドウ樹に対する栄養供給の目的ではなく地力回復、微生物叢のバランスを整えるために自家製の純植物性の完熟堆肥を地力が弱いと判断した区画にのみ施肥しています。
また、農薬は、当初から除草剤などの農薬は使わずにボルドー液(ブドウ栽培において、様々な有機農法の認証団体が唯一使用を許可している農薬)のみを使用していましたが、ビオディナミ調剤を試したり、EM、様々なハーブなどから作る煎じ薬を撒いたりとボルドー液さえも排除した農業を目指しています。
※彼の住む地域はイタリア最大の平野部、パダーナ平野に面しているため湿気が多いので病気が出やすくボルドー液を撒く回数を少なくすることは極めて危険です。もともと撒いている量もごくわずかですが完全排除を目指しています。
白ワインの銘醸地ソアーヴェのお隣り、ワインの世界では全くの無名といえるガンベッラーラという小さな村で、自分の考えを貫きとおしてきたアンジェリーノ。そんな彼の姿に影響を受けた造り手は多く、日本の飲み手にとっても重要な存在となりました。
La Castellada
ラ・カステッラーダ

イタリア>フリウリ>ヴェネツィア>ジューリア州
ラ カステッラーダのニコロ ベンサ(通称ニーコ)は知識の宝庫にして、自分のワインにも他人のワインにも非常にシニカルで、だけど彼なりのブレない審美眼を持ち合わせていて、そしてお茶目。非常に礼儀正しく、理知的で論理的に物を説明することにも長けているが、いちど熱くなると止まらないニーコです。
<プロの誇り>
1985年当時:ステンレスタンクで、培養酵母を添加して、温度管理をしながらの醗酵
1980年代後半-90年代前半:樽内でのアルコール醗酵&熟成を採用、それにより醗酵中の温度管理ができなくなり、醗酵温度が高くなり、温度が高いので野生酵母だけでも十分に醗酵を円滑に進められるので、培養酵母の添加をやめる。リッチな風味を付けるために、皆こぞって新樽を使用するように。
1995年:白ワイン生産にも醸し醗酵(皮や種ごとの醗酵)を始める。新樽に対して懐疑的になり、大樽を導入し始める。
1997年以降:グラヴネルやラディコンはアルコール醗酵の全工程を木製の開放醗酵槽で皮ごと行うようになる。グラヴネルはアンフォラでの醸造を実験的に開始。
ラディコンは1999年、一部のワインを酸化防止剤無添加でボトリング、2002年以降は全てのワインを無添加でリリース。この間、より凝縮したブドウを得るために畑では植樹密度を上げ、単位面積当たりの収量を約半分にまで落としていきます。
化学肥料の使用もやめ、ボルドー液以外の農薬を使わず、草生栽培を実践しています。
La Calabretta ラ・カラブレッタ

イタリア>ブーリア州>シチリア
地中海で最も大きな活火山であるエトナ山(シチリア)で4世代に渡りワインを造るカラブレッタ家。お父さんのマッシモと息子マッシミリアーノは1997年から自家ボトリングを始めました。
畑にトラクターが入ることができないのですべての作業を手で行なわねばなりません。
しかしながら夏の強い日差しをブドウに直接当てるのを避けるには葉が木全体を覆う必要があり、そういった意味でも地域に適合して残った手法であるといえます。
1日の寒暖差が激しいことや、乾いた風がよく吹くことで農薬類を使わなくても病害虫の発生を抑えることができ、この地域をよりブドウ栽培に適した場所としています。
5日間のマセレーション後、醗酵中の温度管理もほとんどすることなく出来上がったワインを 14 ヶ月大樽で寝せます。
樹齢の古さや低収量に由来する高い凝縮性に、標高などに由来するそれを支えるだけの偉大な酸が、彼等のワインを他のシチリアのワインとは全く異質のものとしています。
L'Acino
ラチーノ
イタリア>カラブリア州
全く農業やワイン関係の仕事をしてこなかった3人の若者が始めたワイナリー。ブドウ畑は森に囲まれているか、もしくは農薬や肥料を使っていないブドウ以外の作物に囲まれ、彼らが目指す農業に理想的な環境といえます。
彼らは、農薬や肥料を自分たちで使わないのはもちろんのこと、周囲で使われ畑に入ってくるものまで気を付け、本当の意味で土壌や微生物の本領が発揮できる環境を整えていきたいと考えています。
Luigi Tecce
ルイジ・テッチェ

イタリア>カンパーニア州
独身、ちょっとシャイで料理好き(キッチンは超キレイ!)な男前。
樹齢80年のアリアニコでエネルギーの塊のようなワインを造るルイージ テッチェさん。彼のワインラベルの後ろには自分はこんな仕込みはしない!と一つずつ箇条書きに、、、
培養酵母の使用 NO
酵素の使用 NO
乳酸菌の使用 NO
タンニンの追加 NO
除酸 NO
清澄 NO
濾過 NO
アラビアガムの使用 NO
・・・裏ラベルに記載されているこれらの言葉。
アラビアガム(安定剤)を除いて、表示義務のないこれらの工程に対し、はっきりNOと記載している彼のワイン。言うまでもなくYESのワインへのアンチテーゼであるとともに、自身のワイン造りへの強い想いが溢れて出しているようにも感じます。
Natalino del Prete
ナタリーノ・デル・プレーテ

イタリア>ブーリア州
豊富な日照量と乾燥した気候という恵まれた条件で、シチリアに次ぐ大葡萄産地として有名なプーリア州。イタリアの半島を長靴に例えると、かかとの部分にあたるプーリア州の南部サンドーナチの広大な敷地。そのほとんどが「ブレンド用のワイン」として州外に輸出されてきた歴史があり、プーリア産のワインとして瓶詰めして、それらのワインが高い評価を受けることが少ないのが現状です。量が重視されてきたこの地域の常識を覆すワインを生み出すのが、このナタリーノ・デル・プレーテさん。
現当主ナタリーノのお爺さんが80年以上も前に植えた葡萄を含む10haの畑を所有し、その生物環境を守るべく、農薬も肥料も使わず不耕起で自然農を実践しています。ヘクタール当たりの収量が3トン以下で、これは大産地プーリアのなかでは異様なまでの低収量です。醸造においても冷蔵設備などが一切なく、昔からの自然なアプローチを徹底。オーダーが入ってからワインを手詰めでボトリングするほどの、おどろきの少量生産体制。
恵まれたプーリアの気候条件、自然の力で健やかに育った葡萄、昔ながらの醸造をしたワインが美味しくないわけがありません!
Pierpaolo Pecorari ピエールパオロ・ペコラーリ

イタリア>フリウリ>ヴェネツィア>ジューリア州
ゴリツィア東部のサンロレンツォ イソンティーノにある年間生産量10万本の、親子3人によって営まれているワイナリーです。
生態バランスを崩さぬようにと、有機農法を実践。高植樹密度の砂利質の畑、厳しく収量制限したブドウから高品質のワインを造っています。
使用する二酸化硫黄もごくわずか。ノーマルクラスのワインはビン詰め直前まで澱引きをしません。
畑名の入ったリゼルヴァクラスのワインは、アルコール醗酵の段階から500リットルの樽に入れられ11ヶ月間を過ごし、続く7ヶ月のビン内熟成の後に出荷されます。
Pacina
パチーナ

イタリア>トスカーナ
パーチナのステーファノとジョヴァンナ夫妻。パーチナは900年代には修道院だったところで、シエナに住んでいたジョヴァンナの曾祖父が屋敷を含む60ヘクタールにも及ぶ地所を購入したのがはじまり。
パーチナで行われている農業とはというと、環境問題やエコシステムについて研究する学者で、Legambienteという環境保護団体の創始者の1人でもあったジョヴァンナの父は、かつては普通に行われてきた農業形態の重要性を説き、それをパーチナでも実践します。森を残し、耕作地全てをブドウやオリーヴ畑にするのではなく、穀物など様々な作物を育てることでパーチナという地所内でのモノカルチャーを避け、広大な土地を利用して常に休閑地を設けることで、地力の回復を図り…つまり、ブドウ畑だったところを数年、もしくは数十年は休閑地もしくは他の作物用の畑として利用した後に、再びブドウ畑として以降数十年は利用して、また休閑地にして…ということをやっているというのです。それは、1000年以上前に修道院ができ、周りを開墾して畑を作った時から全く変わらない考え方で、農業を行っているということになります。
すべての工程が昔ながらの方法で、かつ日本へ輸出するために必要最小限の酸化防止剤を添加しているのみです。
Podere Il Santo
ポデーレ・イル・サント

イタリア>ロンバルディア州
トリノでエンジニアとして働いていたエウジェーニオ バルビエリは、化学物質や石油エネルギーに大きく依存した慣行農法を行う大規模な農業経営の発展の影で、1900 年代の初頭には当たり前のように行われてきた、自給という考えに根ざした小規模な循環型農業の衰退と、耕作放棄されていく高樹齢のブドウ畑を目の当たりにし、90 年代終わりに生まれ故郷であるヴォゲーラ南部、オルトレポー パヴェーゼの生産地域としては西端にあたるリヴァナッツァーノに戻ることを決意しました。
現在農場の総面積は17ha、うち5ha がブドウ畑、残りは畑、牧草地、森林です。家畜・家禽も飼い、飼料も自家生産。
家畜のフンから堆肥を生産する循環型の有機農業を実践しています。
家畜・家禽とも主に自家消費のためだが、残りを食肉もしくは加工品として販売もしています。
ブドウ畑でも、ボルドー液以外の一切の農薬を使用せず、収穫されたブドウも、エウジェーニオがブドウ品種の個性とテロワールを最大限に表現していると考える品質のものだけで醸造を行い、残りのブドウは売却してしまうという徹底ぶり。
醸造はステンレスないしセメントタンクでブドウ品種ごとに行い、マセレーションの期間も45~60 日と長期間にわたります。
醗酵、熟成期間中は一切酸化防止剤を添加せず、ボトリング直前にのみ少量使用するだけです。
Paolo Bea パオロ・ベア
イタリア>ウンブリア州
1500年代からモンテファルコに住んでいることが古文書から確認されているベア家。徹底的な選果により、恐ろしく凝縮したブドウでワインを仕込む当主ジャンピエロは、建築家で醸造家、ラベルも自分でデザインしてしまう、、、、
凄すぎです!
Stefano Berti
ステーファノ・ベルティ カリスト

イタリア>エミリア>ロマーニャ州
エミリア・ロマーニャ州の東南、フォルリ郊外のラヴァルディーノ・インモンテにあるワイナリー。この地域はサンジョヴェーゼとトレッビアーノの生産地として古くから知られていますが、今まで品質について注目を浴びることが少ない地域でもありました。彼らは1980年代初めにブドウを含む果樹栽培農家として活動を始め、徐々にワイン生産を手がけるようになり、2000年から自らボトリングを始めました。
砂岩の程よく混ざった粘土質の土壌の畑は斜面にあり、日照条件、水捌けともに良好で、収穫されたブドウはステンレスタンクで3 週間、野生酵母のみでマセレーションとアルコール醗酵を行います。熟成にもステンレスタンクのみを使用しています。
Sanguineto
ポデーリ・サングイネート

イタリア>トスカーナ
1997年が初ヴィンテージという非常に新しいワイナリーながら、既に非常に高い評価を獲得する素晴らしい生産者です。
ワイナリーを運営するのはドーラさんと、パトリツィアさんという女性なのですが、本当にパフワフルなかたがた・・・。
ドーラさんは現在、モンテプルチアーノ狩猟協会の副会長をつとめている腕利きのハンターでもあり、18歳の時には地元のトラクター・レースでかなりゴッツイ男性たちの中にまじって準優勝をおさめるなど、数々の逸話を持つ"姐御"という貫禄をもつ豪快な女性。ですが対照的に(?)、彼女達が作り出すワインは本当に繊細で非常にエレガントなのです。
ブドウは全て有機栽培を行い、除草剤や化学肥料も使用せず、天然酵母のみで発酵させるという非常に伝統的な醸造をおこなっています。
非常に選別も厳しく行うため、生産量は非常に少なくなってしまうのだそうです。
Stefano Legnani
ステーファノ・レニャーニ

イタリア>リグリアーノ州
輸入代理店であるヴィナイオータの社長とも昔から親交のあるステーファノでしたが、満を持して一緒に仕事をすることになりました!
元々保険のエージェントをしていたステーファノ、従業員も沢山いてその業界ではちゃんと成功していましたが、素晴らしいナチュラル・ワインの造り手であるラ・ビアンカーラやラディコンに出会い、彼らの信念、覚悟の気合入りっぷりに「雷に打たれてしまった」そうなんです。
そこから一気にワインを造るというところまできてしまう、ステーファノの行動力!気合入ってます!!
1ヘクタールの畑では、ヴェルメンティーノのみを栽培し(ブドウの樹のことを“お嬢さん”と呼んでいて、それはもう親バカすぎる可愛がりよう♪)、仕込むワインも1種類だけなのですが、ボトリングのタイミングによって、2種類の名前でリリースされています。
醸造は、5日間の皮ごとの醗酵、ステンレスタンクでの醗酵&熟成、ボトリング時に最小限度の酸化防止剤を添加しています。
Trinchero
トリンケーロ

イタリア>ピエモンテ州
3世代に渡り、古木のバルベーラを大切に育て、大樽での超長期熟成によるクラシカルなワインを造るトリンケーロ。
当初から、自然環境の最大限の配慮を払った農業を心がけ、セラーでも人為的関与を極力避けたワイン造りを理想としてきました。
アスティ州で一番最初にDOCワインの自家元詰めを行うための登記をした造り手で、エツィオが3代目に当たります。彼がワイナリーの仕事をすべて任された時点では40haもの畑を所有していたそうなのですが、品質の高いワインを造るのには広すぎる!!ということで、もっとも条件の良い畑10haほどを残して、他は全て売却or賃貸ししてしまいます。
手元に残した良い畑は、施肥をしなくてもアルコール度数の高い、凝縮した果実味を持つワインができると考え、エツィオは一切の肥料を撒かず、ボルドー液以外の化学的な薬剤に頼らない農業を行っています。
熟成中の全てのワインが彼の御眼鏡にかなうわけもなく、気に入らない樽のワインはお酢屋さんへ回され、名もなきワインビネガーとなるのです。それだけ自分のワインには時間が必要である、という信念、熱い熟成魂!凄いぞエツィオ!
“クルミの木の畑”の名がついた彼らの最上のヴィーニャ デル ノーチェ。これは、最も古い1929年に植えられた、平均樹齢85年以上のブドウの古木から生み出されます。伝統的な45日にも渡る長期間のマセレーションとアルコール醗酵、22ヶ月の大樽熟成後、瓶内にて10ヶ月寝かせてようやく販売される選び抜かれたワインたちです。
酸化防止剤も醸造時には一切添加せず、ボトリング時に少量使用するのみ。ただでさえワインを長期熟成させているので、セラーにはワインがいっぱいあるし、畑を手伝ってくれる人もいないし、酒造に関する国のルール改正もさらなる投資を強要するようなものでと、踏んだり蹴ったりの状況です。大手のワイナリーにとっては、なんの問題のないことでも、小規模な造り手には大きな負担になることが増え過ぎて、本当に誠実な造り手にとっては生きづらい世の中になって行っているのを感じます。そんな彼らを将来的に助ける術があるとすれば、誠実な造り手が醸す誠実なワインを支持せずにはいられません。
突出して熟成にこだわる造り手で、「ブドウ由来の香りには興味がない。ワインの香りを大事にしたい。つまりそれは熟成の香りなんだ。」という熱い想いをワインに込めた、素晴らしい造り手です。
時間が味をつくる、、、超長期熟成の味をお楽しみいただけます。
Vodopivec ヴォドピーヴェッチ

イタリア>フリウリ>ヴェネツィア>ジューリア州
トリエステのカルソ地区のほぼ中心ズゴーニコにあるヴォドピーヴェッツ家。
代々農業を営んでいますが、パオロ&ヴァルテル兄弟によってワイナリーとして本格的な生産&ボトリングを開始したのは1997年のこと。
カルソという土地を表現するにあたり、ヴィトフスカこそ最良のブドウであると信じ、自ら開墾した畑はヴィトフスカのみを植えています。
当然のことながら一切の灌水を行わず、極稀に必要だと判断した場合にのみ牛糞をベースにした完熟堆肥を入れるが、飼料もカルソ産の一切農薬を使っていないものを与えられた、カルソで育てられた牛のものを使用しています。
ありとあらゆる農薬を使わず、数年間はボルドー液さえも使わず、海草やミネラル、土など自然素材をベースにした薬剤のみの栽培にも挑戦し、近年はこの薬剤をベースに、ボルドー液の使用は1-2回程度にとどめるようにしています。
これはボルドー液の構成要素である銅が、皮に付着・残留するのを極限まで無くす(減らす)ためで、長期間の醸し醗酵を行うパオロならではの発想なのかもしれません。
2005年より、熟成容器のニュアンスなど他の要素を一切排除したブドウ=ワインのような液体を目指し、アンフォラ(素焼きの甕)を使った仕込みを始め2007年よりアンフォラを中心としたワイン造りを本格化させました。
自分が今できる最善を残そうとする気合入りまくり男パオロです!